子どもの舌のくせ、放っておいて大丈夫?歯並びや発音への影響と改善法

「うちの子、いつも舌を前歯に押しつけているみたい…」「歯並びが気になりはじめたけど、舌のくせが原因って本当?」――そんな疑問をお持ちの親御さんは少なくありません。

結論からお伝えすると、子供の舌癖は早めに気づいて対処することで、歯並びや発音への影響を軽減できる可能性があります。舌癖とは舌を誤った位置に置いたり、飲み込むときに前歯に押しつけたりするくせのことで、乳歯列期〜混合歯列期(6〜12歳ごろ)の子供に多く見られます。放置すると開咬(前歯がかみ合わない状態)や出っ歯などにつながるケースがあるため、早期の気づきと専門家へのご相談が大切です(個人差があります)。

📋 この記事の目次

子供の舌癖とは?よくある種類と気づきのサイン

舌癖(ぜつへき)ってどんな状態?

舌癖とは、舌を正しい位置に置けず、誤った方向に力をかけ続けてしまうくせのことです。正しい舌の位置は「上顎の前歯の付け根あたり(スポット)に舌先が軽く触れ、舌全体が上顎に沿って収まっている状態」です。この位置から外れたくせが日常的についてしまうと、舌癖と呼ばれます。

子供は大人に比べて骨格が柔軟であるため、舌から加わる小さな力でも歯や顎の発育に影響を及ぼしやすい傾向があります。だからこそ、成長期に早く気づくことがとても重要です。

代表的な舌癖の種類

子供に見られる舌癖にはいくつかの種類があります。それぞれの特徴を知っておくことで、わが子のくせに早めに気づくことができます。

Type 01

舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)

飲み込む動作(嚥下)のときや、安静時に舌を前歯の間から前に押し出すくせです。子供の舌癖のなかでもっともよく見られるタイプで、前歯が上下にかみ合わなくなる「開咬」につながりやすいとされています。

Type 02

低位舌(ていいぜつ)

舌が常に口の底に落ちていて、上顎に接していない状態です。口を閉じているときに舌が正しい位置にないため、上顎の発育が促されにくくなることがあります。口呼吸と組み合わさって現れるケースも多く見られます。

Type 03

舌を頬の内側や歯の側面に押しつけるくせ

舌を横の歯に押しつけるタイプの舌癖は、歯列の幅や奥歯のかみ合わせに影響することがあります。目に見えにくいくせであるため、定期的な歯科健診で発見されることが多いパターンです。

親御さんが気づきやすいサイン

「うちの子、舌癖があるかも?」と感じるポイントを以下にまとめました。複数当てはまる場合は、一度歯科に相談してみることをおすすめします。

  • 食事や飲み込みのときに舌が前歯からのぞいて見える
  • 口がいつも少し開いていて、唇が乾きやすい
  • 「さ行」「た行」の発音がぼやける、しにくそうにしている
  • 前歯の上下がかみ合っていない(隙間がある)
  • いつも口で呼吸しているように見える

舌癖が起きる主な原因

子供に舌癖が生じる背景には、さまざまな原因が複合的に絡み合っていることが多いです。代表的な要因を整理してみましょう。

Point 01

口呼吸の習慣化

アレルギー性鼻炎や慢性的な鼻づまりがあると、子供は自然と口で呼吸するようになります。口が開いた状態が続くと、舌が正しい位置に収まらなくなり、低位舌や舌突出癖につながりやすくなります。鼻の通りを改善することが舌癖対策の入口になることもあります。

Point 02

授乳・離乳食の方法

哺乳瓶の乳首の形状や授乳姿勢、離乳食のやわらかさなどが舌の使い方に影響するという指摘があります。また、指しゃぶりや爪かみといった口腔習癖(こうくうしゅうへき)が長く続くと、舌の動きのパターンに影響を及ぼすことがあります。一般的に、指しゃぶりは3〜4歳ごろまでに自然とやめられることが多いですが、それ以降も続く場合は相談してみましょう。

Point 03

舌小帯(ぜつしょうたい)の問題

舌の裏側と口底をつなぐ「舌小帯」が短かったり、付着位置が前方だったりすると、舌が上顎まで持ち上げにくい状態になります。このような場合、舌が低い位置に落ちやすく、舌癖が生じやすくなることがあります。歯科で確認できますので、気になる場合はご相談ください。

舌癖が歯並び・発音・口呼吸に与える影響

舌癖は「ただのくせ」と思われがちですが、継続的に加わる舌の力は、子供の成長とともに歯並びや顎の発育に影響を及ぼすことがあります(個人差があります)。具体的にどのような影響が出やすいのかを解説します。

歯並び・かみ合わせへの影響

舌が前歯を常に前方から押していると、上の前歯が前方に傾いたり(いわゆる出っ歯)、前歯の上下がかみ合わない「開咬」が生じたりすることがあります。開咬になると前歯でものをかみ切れなくなり、食事しにくさや発音のしにくさにつながります。

また、舌が側方に力をかけ続けると奥歯のかみ合わせがずれる「交叉咬合(こうさこうごう)」につながるケースもあります。成長期のうちに対処することで、矯正治療の範囲を抑えられる可能性が高まります(個人差があります)。

発音・言葉への影響

舌の動きは発音と密接に関係しています。舌癖があると「さ行(sa・si・su・se・so)」「た行」「な行」などの発音が不明瞭になりやすい傾向があります。幼いうちは発音のゆらぎがあっても自然ですが、小学校入学ごろを過ぎても発音が不明瞭な場合は、舌癖が一因になっている可能性があります。

口呼吸との悪循環

舌癖と口呼吸は互いに影響し合うことがあります。口呼吸が続くと舌が低い位置に落ち、舌癖がさらに進みやすくなります。口呼吸は口腔内の乾燥を招き、むし歯や歯肉炎のリスクを高めることもあります。

⚠ よくある誤解:「成長すれば自然に治る」は要注意

「子供のくせだから大きくなれば自然に直るだろう」と考える親御さんも多いのですが、舌癖は意識しなければ自然に消えにくいくせです。骨格が柔軟な成長期のうちに適切なトレーニングや指導を受けることで、改善に向かいやすくなります。気になる場合は早めに歯科へご相談ください。

舌癖・口腔習癖へのアプローチについて

舌のくせを含む口腔機能へのアプローチも
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子供の舌癖を改善するトレーニングと治療法

舌癖の改善には、舌の筋肉と動きを正しく整えるトレーニング(MFT)が中心となります。MFT(Oral Myofunctional Therapy:口腔筋機能療法)とは、口まわりの筋肉を正しく使えるようにするリハビリの一種です。歯科衛生士や歯科医師の指導のもとで行うほか、自宅での練習も取り入れながら進めていきます。

自宅でできる舌トレーニングの基本

以下に代表的なトレーニング例を紹介します。いずれも歯科での指導を受けたうえで、正しい方法で取り組むことが大切です。自己判断で始めた場合、方法を誤ると効果が出にくいことがあるため、まず専門家に相談することをおすすめします。

Training 01

スポットポジションを覚える

舌先を上顎の前歯の付け根(スポット)に軽く当て、舌全体を上顎に吸いつけるように保持します。最初は数秒からはじめ、徐々に時間を延ばしていきます。舌の正しい「ホームポジション」を体で覚えることが目標です。

Training 02

ポッピング(舌を上顎に吸いつけて弾く)

舌全体を上顎に吸いつけてから、勢いよく離して「ポン」と音を出します。舌の吸いつける力(舌圧)を高め、低位舌の改善に役立つとされるトレーニングです。口を大きく開けて行うことがポイントです。

Training 03

正しい嚥下(飲み込み)の練習

水を少量口に含み、舌を上顎に押しつけながら飲み込む練習です。「舌で前歯を押さずに飲み込む」感覚を身につけることが目的です。最初はうまくいかなくても、繰り返し練習することで少しずつ習慣化できます。

歯科でのMFT・小児矯正との組み合わせ

MFTは単独でも取り組めますが、歯並びへの影響が出はじめている場合は、小児矯正と組み合わせることで改善の幅が広がることがあります(個人差があります)。

MFT単独のポイント

  • 装置不要で体への負担が少ない
  • 習慣の根本改善をめざせる
  • 早い段階から開始しやすい
  • 家庭での練習と並行できる

MFT単独の注意点

  • 継続的な練習が必要(効果は個人差あり)
  • 歯並びの乱れが進んだ場合は矯正も検討
  • 正しい方法を専門家に確認することが大切

歯並びの乱れがすでに出ている場合は、インビザラインファーストのような取り外しのできる小児矯正装置を使いながら、MFTも並行して行う方法を歯科医師が提案することがあります。治療方針は子供一人ひとりの状態によって異なりますので、まずは歯科でしっかり診てもらうことが大切です。

舌癖改善に取り組む際の年齢の目安

MFTや小児矯正は、一般的に混合歯列期(6〜12歳ごろ)に取り組みやすいとされています。骨格が柔軟で、子供自身がトレーニングの意味を理解して取り組めるようになる時期だからです(個人差があります)。ただし、舌癖が疑われる場合は年齢を問わず早めに相談されることをおすすめします。

⚠ 注意:トレーニングの効果には個人差があります

MFTの効果は、舌癖の種類・程度・お子さまのやる気や練習量によって大きく異なります。「〇〇回やれば治る」といった一律の基準はなく、歯科でのこまめな経過観察と家庭でのサポートが大切です。焦らず、お子さまのペースで続けることを大切にしてください。

たなべ歯科クリニックの舌癖・小児矯正へのこだわり

愛媛県松山市南吉田町にあるたなべ歯科クリニックでは、お子さまの舌癖や歯並びのご相談を丁寧に受け付けています。

  • 「よく診て、よく聴いて、よく説明する」をモットーに、治療方針はお子さまと親御さんと一緒に決めます。こちらから押しつけることは一切ありません。
  • 小児矯正(インビザラインファースト)に対応。取り外しができる装置で、お子さまの負担を考えた治療を提案します。
  • 無料託児サービス(専任保育士常駐)完備。下のお子さまを預けながら、上のお子さまの治療に集中していただけます。
  • キッズクラブで定期的な歯の健康サポートを実施。楽しく通える工夫をしています。
  • 半個室診療室・バリアフリー対応・駐車場20台完備で、ご家族みなさまにご利用いただきやすい環境を整えています。
院長 田邉康宏より

「お子さまの舌のくせが気になる」と感じたら、どうぞ気軽にご相談ください。私のモットーは「よく診て、よく聴いて、よく説明(はな)す」こと。舌癖のことも、矯正のことも、わかりやすくご説明します。何度でもお話しします。「来たかいがある」と思っていただける診療をめざして、お子さまとご家族に寄り添っていきます。

よくあるご質問(FAQ)

子供の舌癖は何歳から歯科に相談すればいいですか?

舌癖が疑われる場合は、年齢を問わず早めにご相談いただくことをおすすめします。乳歯列期(3〜5歳ごろ)でも指しゃぶりや口呼吸のくせを含めてご相談を受け付けています。特に混合歯列期(6〜12歳ごろ)は骨格が柔軟で対応しやすい時期とされていますが、お子さまの状態によって異なりますので、まずは一度診察でご確認ください(個人差があります)。

MFT(口腔筋機能療法)はどのくらいの期間続けるものですか?

MFTの期間はお子さまの舌癖の程度や取り組み方によって異なりますが、一般的には数カ月〜1年以上かけてゆっくり習慣を整えていくことが多いです。歯科での定期指導と、自宅での毎日のトレーニングを組み合わせて進めます。継続が大切なため、楽しく続けられる工夫もご提案します(個人差があります)。

舌癖があると矯正治療は必ずセットになりますか?

舌癖があるからといって、必ずしも矯正治療がセットになるわけではありません。舌癖の程度が軽い場合や、歯並びへの影響がまだ出ていない段階であれば、MFTのみで様子を見ることもあります。矯正治療が必要かどうかは、実際に診察してお口の状態を確認したうえで、親御さんと一緒に方針を決めていきます。まずはご相談ください。

まとめ:子供の舌癖改善のポイント

  • 舌癖は「舌を誤った位置に置く・押しつけるくせ」で、歯並びや発音に影響することがある
  • 主な種類は舌突出癖・低位舌など。口呼吸や指しゃぶりが引き金になることも多い
  • 「成長すれば自然に治る」は誤解。早期に気づいて専門家に相談することが大切
  • MFT(口腔筋機能療法)が改善の中心。必要に応じて小児矯正との組み合わせも検討できる
  • 松山市南吉田町のたなべ歯科クリニックでは、舌癖・小児矯正のご相談を丁寧に受け付けています

子供の舌癖・歯並びのご相談はたなべ歯科クリニックへ

愛媛県松山市南吉田町にあるたなべ歯科クリニックでは、24時間WEB予約を受け付けています。無料託児サービス(専任保育士常駐)もございますので、小さなお子さまがいるご家庭もお気軽にどうぞ。「よく診て、よく聴いて、よく説明する」診療で、親御さんの不安に丁寧にお答えします。

たなべ歯科クリニック

舌のくせが歯並びや発音に影響していないか、
一度専門家にご相談ください。

お電話でのお問い合わせ:089-974-8111

監修

田邉康宏(たなべ歯科クリニック 院長)

経歴

  • 1978年

    松山市立生石小学校卒業

  • 1981年

    松山市立西中学校卒業

  • 1984年

    愛媛県立松山南高理数科卒業

  • 1990年

    国立徳島大学歯学部卒業
    大阪名越歯科(高槻)勤務

  • 1994年

    大阪名越歯科(梅田センタービル)チーフドクター

  • 1998年

    たなべ歯科クリニック開院

資格・所属学会

  • 日本歯科医師会 会員
  • 愛媛県歯科医師会 会員
  • 松山市歯科医師会 会員
  • 河原学園 臨床実習主任