
お子さまが小児矯正治療を始めると、多くの保護者の方が「仕上げ磨きはどうすればいいの?」と不安を感じます。
矯正装置をつけている間は、どうしても食べカスが溜まりやすく、虫歯のリスクが高まります。
せっかく歯並びをきれいにしても、虫歯になってしまっては意味がありません。
当院でも、毎月100名以上のお子さまがマイオブレースによる小児矯正に取り組んでいますが、仕上げ磨きの重要性を保護者の方にお伝えしています。
小児矯正中は虫歯リスクが高まる理由
矯正装置をつけると、お口の中の環境が大きく変わります。
装置の周りには食べカスやプラークが溜まりやすく、歯ブラシが届きにくい部分が増えるからです。特に、固定式の装置を使用している場合は、ブラケットやワイヤーの隙間に汚れが残りやすくなります。
また、お子さま自身の歯磨きだけでは、どうしても磨き残しが出てしまいます。

マイオブレースのような取り外し式の装置でも、装置を外した後の歯磨きが不十分だと虫歯になるリスクがあります。装置を装着している時間が長いほど、唾液による自浄作用が働きにくくなるため、意識的なケアが必要です。
さらに、矯正治療中は歯が動いている最中なので、歯と歯の間に隙間ができたり、歯茎が腫れやすくなったりすることもあります。こうした状態では、普段以上に丁寧な口腔ケアが求められます。
仕上げ磨きで押さえるべき6つの重要ポイント
矯正治療中の仕上げ磨きには、いくつかの大切なポイントがあります。
1. 装置の周りを重点的に磨く
矯正装置の周辺は、最も汚れが溜まりやすい場所です。
ブラケットやワイヤーの上下、装置と歯茎の境目などを、歯ブラシの毛先を使って丁寧に磨きましょう。一本一本の歯を意識しながら、小刻みに動かすのがコツです。
固定式の装置の場合は、ワイヤーの下に歯ブラシを入れ込むようにして磨きます。
2. 歯と歯茎の境目を忘れずに
歯と歯茎の境目は、虫歯だけでなく歯肉炎の原因にもなる場所です。
歯ブラシを45度の角度で当て、優しく小刻みに動かしながら磨きます。力を入れすぎると歯茎を傷つけてしまうので、軽い力で十分です。
特に、矯正治療中は歯茎が腫れやすくなっているため、この部分のケアは欠かせません。
3. 歯間ブラシやフロスを活用する
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れは取りきれません。

歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯と歯の間もしっかりケアしましょう。矯正装置がある場合は、フロスを通すのが難しいこともありますが、フロススレッダーという補助具を使うと便利です。
歯間ブラシは、装置の下やワイヤーの周りの汚れを取るのにも効果的です。お子さまの歯の隙間に合ったサイズを選ぶことが大切です。
4. フッ素入り歯磨き粉を使用する
フッ素には、歯の表面を強化して虫歯を予防する効果があります。
矯正治療中は特に虫歯リスクが高いため、フッ素入りの歯磨き粉を使うことをおすすめします。年齢に応じた適切なフッ素濃度のものを選びましょう。
また、歯磨き後にフッ素ジェルを塗布するのも効果的です。当院でも、矯正治療の来院ごとにフッ素を塗布し、虫歯予防に努めています。
5. 磨く順番を決めて磨き残しを防ぐ
毎回同じ順番で磨くことで、磨き残しを防ぐことができます。
例えば、「右上の奥歯から始めて、前歯、左上の奥歯、そして下の歯」というように、順番を決めておくと良いでしょう。お子さまと一緒に磨く順番を決めて、習慣化することが大切です。
また、鏡を見ながら磨くことで、磨き残しがないか確認できます。
6. 時間をかけて丁寧に磨く
仕上げ磨きには、最低でも5分程度はかけたいところです。

急いで磨くと、どうしても磨き残しが出てしまいます。お子さまがリラックスできる環境を作り、時間をかけて丁寧に磨きましょう。
テレビを見ながら、音楽を聴きながらなど、お子さまが飽きない工夫をするのも良いでしょう。
マイオブレース治療中の特別なケア
当院で多くのお子さまが取り組んでいるマイオブレース治療は、取り外し式の装置を使用します。
就寝時と日中1〜2時間程度装着しますが、食事や歯磨きの際には外すことができます。そのため、固定式の装置に比べると、歯磨きはしやすいと言えます。
ただし、装置を外した後の歯磨きを怠ると、虫歯のリスクは高まります。装置を外したら、すぐに歯磨きをする習慣をつけることが大切です。
また、装置自体のお手入れも忘れずに行いましょう。装置を水で洗い、専用のブラシで汚れを落とします。週に1回程度は、入れ歯洗浄剤などを使って除菌するのも効果的です。
定期的な歯科検診とプロフェッショナルケア
ご家庭での仕上げ磨きに加えて、定期的な歯科検診も欠かせません。
当院では、矯正治療の来院ごとに虫歯のチェックを行い、フッ素を塗布しています。専門家による口腔ケアを受けることで、虫歯の早期発見・早期治療が可能になります。

もし小さな虫歯が見つかった場合でも、すぐに治療を行うことで、大きな問題になる前に対処できます。矯正治療が長期になる場合でも、清掃状態を維持することが、健全な永久歯列を育てる鍵となります。
また、歯科衛生士によるブラッシング指導を受けることで、ご家庭での仕上げ磨きの質も向上します。お子さま自身が正しい磨き方を覚えることで、将来的に自分でしっかりケアできるようになります。
虫歯予防と矯正治療の両立が大切
小児矯正治療の目的は、美しい歯並びを実現することです。
しかし、歯並びが良くなっても、虫歯だらけでは意味がありません。矯正治療中は、虫歯予防と歯並びの改善を同時に進めることが大切です。
当院では、「歯列育形成」という考え方を大切にしています。これは、歯並びだけでなく、虫歯や歯周病などの他の問題も含めて、健全な永久歯列に仕上げるという概念です。
5歳から矯正治療を始めることで、歯を抜かずに治せるケースが多く、むし歯や歯周病のリスクを抑えられるというメリットがあります。顎が発達途中の乳歯列・混合歯列期は、習慣付けがしやすく、顎の成長を促して歯がきれいに並ぶ十分なスペースを確保できます。
また、鼻呼吸の確立により、勉強の集中力向上も期待できます。
まとめ
小児矯正中の仕上げ磨きは、虫歯予防のために非常に重要です。
装置の周りを重点的に磨く、歯と歯茎の境目を忘れずに磨く、歯間ブラシやフロスを活用する、フッ素入り歯磨き粉を使用する、磨く順番を決める、時間をかけて丁寧に磨くという6つのポイントを押さえることで、矯正治療中も健康な歯を維持できます。
また、定期的な歯科検診とプロフェッショナルケアを受けることで、虫歯の早期発見・早期治療が可能になります。
お子さまの健やかな成長と、美しい歯並びを実現するために、毎日の仕上げ磨きを大切にしましょう。
どんな些細なことでも、お気軽にご相談ください。
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著者情報

当院は、患者さんに「来たかいがある治療」と思ってもらえるように、カウンセリングを重視した治療に力を入れています。
そのため、治療が終了しても定期的にメンテナンスで来院されたり、家族や知り合いの方を紹介いただいたりと、長くお付き合いを続けている患者さんが多いのが特徴です。
私のモットーは「よく診て、よく聴いて、よく説明(はな)す」です。そのため、出来るだけわかりやすく説明することを心がけ、説明は何回でもします。患者さんと一緒に治療方針を決めますので、こちらから押しつけるようなことは一切しません。
これからも患者さん一人ひとりにしっかりと向き合っていきたいです。
どんな些細なことでも、お気軽にご相談ください。
経歴
- 1978年
松山市立生石小学校卒業 - 1981年
松山市立西中学校卒業 - 1984年
愛媛県立松山南高理数科卒業 - 1990年
国立徳島大学歯学部卒業
大阪名越歯科(高槻)勤務 - 1994年
大阪名越歯科(梅田センタービル)チーフドクター - 1998年
たなべ歯科クリニック開院
資格・所属学会
- 日本歯科医師会 会員
- 愛媛県歯科医師会 会員
- 松山市歯科医師会 会員
- 河原学園 臨床実習主任




