
小児矯正で抜歯しない治療が可能な理由
お子さまの歯並びが気になり始めたとき、「矯正治療で歯を抜かなければならないのでは」と心配される保護者の方は少なくありません。
実は、小児期に矯正治療を始めることで、抜歯を避けられる可能性が高まります。
成長期のお子さまは顎の骨がまだ柔らかく、成長する力を利用できるため、歯が並ぶスペースを自然に確保しやすいのです。大人になってから矯正を始める場合と比べて、顎の成長をコントロールしながら治療を進められる点が大きな違いといえます。
松山市のたなべ歯科クリニックでは、5歳頃から始める小児矯正に力を入れており、お子さまの成長段階に合わせた治療計画をご提案しています。
Ⅰ期治療とⅡ期治療の違い
小児矯正は「Ⅰ期治療(成長期矯正)」と「Ⅱ期治療(永久歯矯正)」の2段階に分かれます。
それぞれの治療には明確な目的と適切な開始時期があり、お子さまの成長に合わせて進めていくことが大切です。
Ⅰ期治療(成長期矯正)の目的と開始時期
Ⅰ期治療は、乳歯と永久歯が混在する時期(混合歯列期)に行う治療です。
一般的に5歳から12歳頃までが対象となり、顎の成長をコントロールしながら歯が並ぶスペースを確保することを主な目的としています。この時期に治療を行うことで、将来的に抜歯をせずに矯正できる可能性を高めることができます。
顎の骨が成長する力を利用できるため、上下の顎のバランスを整えたり、歯列の幅を広げたりすることが比較的容易です。
Ⅱ期治療(永久歯矯正)の役割
Ⅱ期治療は、永久歯が生え揃ってから行う治療です。
Ⅰ期治療で整えた土台の上で、歯の位置を細かく調整し、理想的な噛み合わせと見た目を目指します。Ⅰ期治療をしっかり行っておくことで、Ⅱ期治療の期間が短くなったり、難症例になりにくくなったりするメリットがあります。
永久歯が生え揃う小学校高学年から中学生(12~14歳頃)が開始時期の目安となります。
顎を広げる治療法の種類と特徴
Ⅰ期治療では、顎の成長を利用してさまざまな装置を使い分けます。
お子さまの歯並びの状態や顎の成長具合に合わせて、最適な装置を選択することが重要です。
拡大装置による顎の拡大
拡大装置は、狭い顎を広げて歯が並ぶスペースを確保するための装置です。
固定式の装置と取り外し式の装置があり、それぞれに特徴があります。固定式の急速拡大装置は、比較的短期間で上顎骨と歯列を広げることができ、叢生(歯のガタガタ)や狭窄歯列の改善に効果的です。
取り外し式の拡大床は、長期間使用しながら弱い力でゆっくりと歯列を広げていきます。お子さまの症状や生活スタイルに合わせて、適切な装置を選択します。
機能的矯正装置(マイオブレース)の活用
機能的矯正装置は、お口周りの筋肉のバランスを整えながら歯並びを改善する装置です。
マイオブレースなどのマウスピース型装置は、舌や頬、唇の異常な筋の機能圧を排除しながら、出っ歯(上顎前突)や受け口(下顎前突)、叢生、開咬などの改善を目指します。取り外しが可能で清掃しやすく、痛みが比較的少ないため、学校生活や日常生活への影響を最小限に抑えられます。

口腔習癖の改善が歯並びに与える影響
歯並びは歯だけでなく、日常の習慣の影響を大きく受けます。
口呼吸、舌の位置異常、飲み込み方の癖(嚥下癖)、頬杖、指しゃぶりなどの「口腔習癖」は、顎の成長を妨げ、歯並びや噛み合わせの乱れにつながります。
MFT(口腔筋機能療法)とは
MFTは、お口周りの筋肉の正しい使い方を身につけるためのトレーニングです。
舌の位置や飲み込み方、呼吸の仕方を改善することで、歯並びの根本的な原因にアプローチします。たなべ歯科クリニックでは、小児矯正専用のアクティビティルームを完備しており、遊びながら楽しく口腔機能を鍛えられる環境を整えています。
歯医者が苦手なお子さまでも通いやすく、継続しやすい工夫をしています。
口呼吸を改善する重要性
口呼吸は、歯並びだけでなく全身の健康にも影響を与えます。
歯列や骨格のバランスを良くすることで口が閉じやすくなり、鼻呼吸を促すことができます。鼻呼吸をすることで、頭を冷やして集中力を高める効果も期待できます。また、正しい舌の位置や飲み込み方を身につけることで、発音の改善にもつながります。

マウスピース矯正による非抜歯治療
近年、小児矯正でもマウスピース型矯正装置が注目されています。
透明なマウスピースを使用するため、見た目の負担が少なく、取り外しが可能で清掃しやすい点が大きなメリットです。
インビザラインファーストの特徴
インビザラインファーストは、混合歯列期のお子さま向けに開発されたマウスピース型矯正装置です。
従来の小児矯正では、Ⅰ期治療で顎を広げるだけでしたが、インビザラインファーストでは顎を広げると同時に、1つ1つの歯を動かして歯をきれいに並べることができます。治療開始より18ヶ月以内を目安に治療が完了し、見た目にも大きな変化が期待できます。
1週間に1回程度、新しいマウスピースに交換するため、歯磨きなども普段通りすることができます。
マウスピース矯正のメリットとデメリット
マウスピース矯正は、目立ちにくく痛みが比較的少ないため、学校生活への影響を最小限に抑えられます。
取り外しができるため、食事や歯磨きの際に装置を外すことができ、口腔内を清潔に保ちやすい点も魅力です。ただし、装着時間を守らないと効果が得られにくいため、お子さま本人の協力と保護者の方のサポートが不可欠です。
症例によっては、ワイヤー矯正と組み合わせることで、より効果的な治療が可能になる場合もあります。

小児矯正のメリットと将来への影響
小児矯正のメリットは、見た目の改善だけではありません。
歯並びが整うことで、さまざまな健康面でのメリットが期待できます。
虫歯や歯周病のリスク軽減
歯並びが整うと、歯磨きがしやすくなり虫歯や歯周病のリスクが低下します。
デコボコの歯並びでは、どうしても磨きにくい場所ができてしまい、清掃性が悪くなります。小児期から歯並びを整えることで、将来的な口腔内の健康維持にもつながります。
咀嚼機能と全身の健康への影響
正しい噛み合わせが確立されることで、咀嚼機能が向上します。
よく噛めるようになることで消化器官への負担が軽減され、顎の正常な動きを促すことで顎関節症の予防にもつながります。また、正しい噛み合わせは姿勢や集中力にも好影響を与えるとされており、お子さまの成長にとって重要な要素といえます。
たなべ歯科クリニックの小児矯正の特徴
松山市南吉田町のたなべ歯科クリニックでは、お子さまとご家族に寄り添った小児矯正を提供しています。
初診相談から治療計画まで
初診相談時には、口腔内写真・レントゲン・顎の成長分析などを行い、現在の状態と将来予測を踏まえた診断を行います。
その上で、治療期間、装置の種類、通院頻度、費用の目安まで丁寧にご説明し、ご家庭のライフスタイルに合わせた治療計画をご提案します。無料相談も行っており、まずは現在の歯並びや顎の成長状態を確認することから始めていただけます。
小児歯科・予防歯科との連携
当院では、小児歯科・予防歯科と連携したトータルケアを行っています。
矯正中の虫歯予防やフッ素塗布、クリーニング、ブラッシング指導も並行して実施します。矯正治療は長期間にわたるため、治療中の口腔管理がとても重要です。キッズスペースや無料託児サービスもあるため、小さなお子さま連れの保護者さまにも安心して通院いただけます。
小児矯正を検討すべきサインとは
以下のような症状が見られる場合は、小児矯正を検討するサインです。
- 子どもの歯並びがガタガタしてきた(叢生)
- 前歯が出ている(上顎前突・出っ歯)
- 受け口が気になる(下顎前突・反対咬合)
- 永久歯が生えるスペースがない
- 口がポカンと開いている(口呼吸)
- いびきや口呼吸が気になる
- 指しゃぶりや舌の癖がある
これらの症状を放置すると、将来的に抜歯が必要になったり、矯正期間が長くなる可能性があります。
お子さまの歯並びは成長とともに大きく変化します。最適なタイミングで適切な治療を行うことで、将来の矯正負担や費用を抑え、健康的で美しい歯並びを実現することが可能です。
まとめ
小児矯正では、顎の成長を利用することで抜歯を避けられる可能性が高まります。
Ⅰ期治療で顎を広げて歯が並ぶスペースを確保し、Ⅱ期治療で歯の位置を細かく整えることで、理想的な歯並びと噛み合わせを実現できます。マウスピース矯正や機能的矯正装置、MFTなど、さまざまな治療法を組み合わせることで、お子さまの負担を最小限に抑えながら治療を進めることができます。
松山市で小児矯正をお考えの方は、たなべ歯科クリニックまでお気軽にご相談ください。お子さまの成長段階に合わせた最適な治療計画をご提案いたします。
この記事の監修者

たなべ歯科クリニック院長 田邊泰宏
経歴
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1990年
国立徳島大学歯学部卒業、大阪名越歯科(高槻)勤務
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1994年
大阪名越歯科(梅田センタービル)チーフドクター
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1998年
たなべ歯科クリニック開院
愛媛県松山市にて、予防歯科からインプラント等の高度な自由診療まで幅広く対応。丁寧なカウンセリングを信条とし、地域の皆様が一生自分の歯で歩める健康づくりを支えている。




